2013-10-10
■ビッグデータの正体
仕事でHadoopを触ってたりするわりに「ビッグデータとはなんであってなんでないか」とかあまり考えたことなかった。
NHKスペシャルの震災ビッグデータとか見ても、結局ピンとこない(でもしたり顔でツイートしてました)。
仕事もまたHadoopとかに舞い戻ってきているので、いい機会ということで読んでみた。
大きな変化として3点、冒頭にまず挙げている。
1.ビッグデータは限りなくすべてのデータを扱う
2.量さえあれば精度は重要ではない
3.因果関係ではなく相関関係が重要になる
この説明が3分の1。
その様な変化を起こした人たち——そのようにビジネスモデルを変化させた人たちの話が3分の1。
残り3分の1でビッグデータのマイナス面を挙げ、ではどのようにルールを作っていくべきなのか? という話。
p31で職人的な直感が高度なデータ分析に敗北を喫した話として「マネーボール」を挙げていたがちょっと違うよね。
p53、コミュニティの調査をしたところ、あるコミュニティ内で多くの接点を持つ人がいなくなっても交流が減ることはあっても止まることはないが、コミュニティの外部に接点を持つ人がいなくなるとコミュニティが崩壊したかのような状態になる、という話が(ビッグデータとは関係ないけど)面白かった。
データセットが小さくても「ビッグデータ的」な発想でデータを扱っているならそれはビッグデータ、というくだりがあったと思うが、それが印象的。
2013-10-12
■ビブリオバトル
ビブリオバトルの目標は普通名詞になること、というあたりがなるほど、という感じ。
ビブリオバトルの公式ルールに「レジュメを用意してはいけない」というのがない、というのがちょっと意外だったが、
p170
一方で、僕たちが禁じたいのは「ただレジュメを読み上げるだけの発表」なのだが、そのような発表では、公式ルールでわざわざ禁じなくても、まず『チャンプ本』に選ばれることはない。だからルールで縛る必要はないだろうというのが、僕たちのかんがえだ。
つまり、「○○をやったらルール違反」という意味での霊薬の側ではなく、「○○をやったらまず勝てないのでやめた方がいい」というゲームの勝敗の側でカバーできると考えている。
のあたりで納得した。
2013-10-21
■天冥の標
「宿題」気味だった天冥の標を一気に読んだ。これはすごい。面白すぎる。
こうやって並べてみるとAmazonの書誌規則いつまでたっても適当だなぁ。
「冥王班ウィルスを根絶する薬」がまさかこんな風に出てくるとは思わなかった。
500年望まれていたのに、500年の時の重み故に存在を抹殺されるというのも切ない。
今までに読んだ物語の中で、もっとも残酷な「愛しています」の言葉に肌が粟立った。
2013-10-22
■順列都市 つまみ読み
ちょっと気になったことがあってざっくりと読み返してみた。
世界のどこかに存在する計算機の、余っている計算能力に対してある金額で入札してその計算能力を借りる。
やがてより高い入札金額を提示する者がでて、今の入札金額では計算が続けられなくなり、タスクを終了させられてしまう。
20年前のSF小説のビジョンの確かさにビックリした。