過去の日記

2014-07-01

鋼鉄都市 [novel]

アシモフのSF・ミステリ。

鋼鉄の外殻に覆われた《シティ》と、招かれざる隣人とも言うべき異星人たちの都市。
人間と、宇宙人と、人間社会に入り込むロボット。
SF的設定のもとで起こる宇宙人が被害者の殺人事件。
主人公である人間の刑事と、異存在であるロボットとの、バディものでもある。

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)

  • 作者: アイザック・アシモフ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売: 1979-03
  • ASIN: 4150103364
  • メディア: 文庫
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いや、これは一種の王道だよねぇ。
熱い人間の刑事/探偵と、クールなロボット/異星人/地球の記憶を持つ謎存在。
ヒドゥンだとか、Wだとか、色々と彷彿とさせてくれるけど、これがアーキタイプなのかなぁ、とか思ったり。

ちょっと謎解き部分が、あれっ、という感じで終わってしまうものの、それでもじゅうぶんに面白かった。


2014-07-03

ハリウッドの恐怖 [novel]

ロバート・ブロックはいわずとしれた映画「サイコ」の原作者。
短編の名手という印象がある。
さらに井上雅彦さん編でのアンソロジーということで期待大。

予期せぬ結末3 ハリウッドの恐怖 (扶桑社ミステリー)

  • 作者: ロバート ブロック
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売: 2014-05-31
  • ASIN: 4594070450
  • メディア: 文庫
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で、真ん中ぐらいまで、確かにすごく"うまい"のだけれど、なんかぐっとくるものがないなぁ、などと思ってしまった。
ところがところが、後半巻末からの4作品はどれもすごい!
「心変わり」「弔花」の、わりと安定のオチながら、それを雰囲気たっぷりに書き切っている。
「ムーヴィー・ピープル」はもう圧巻。発想も凄いし、描き方もすごい。手紙のところが読んでいてゾクゾクするぐらい。そのあとのオチはもうそこまで来たら予測できるものだろうけど、それでも最後の1文が、オチの顕れ方が非常にスマート。


あ、あと中ほどの、「プロットが肝心」はまさに井上雅彦さんの好みの作品だったろうなぁ、と。


2014-07-04

ビブリア古書堂の事件手帖 5 [novel]

なるほどそれで3本とも、長く連れ添った、でも今は離れてしまった夫婦の話なのか、と。
それがテーマだったのか。

ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)

  • 作者: 三上 延
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
  • 発売: 2014-01-24
  • ASIN: 4048662260
  • メディア: 文庫
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2014-07-08

ムカシ×ムカシ [novel]

森さんの本を読んで、謎が解けてスッキリした感を味わうの、久しぶりな気がする。

ムカシ×ムカシ (講談社ノベルス)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売: 2014-06-05
  • ASIN: 4062990202
  • メディア: 新書
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2014-07-11

PyCharmでgeneratorの型ヒントの書き方 [Python]

list of yieldするデータの型

collections.Iterable[yieldするデータの型]
をアノテーションに書く。

def my_iter():
  """
  :rtype : collections.Iterable[int]
  """
  yield 1
  yield 2
  yield 3


via

Type Hinting in PyCharm


2014-07-14

アジャストメント [novel]

「電気蟻」あたりはディテールさえ整えれば(さすがにさん孔テープはない)今でも通じるテーマだなぁ。

アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)

  • 作者: フィリップ・K・ディック
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売: 2011-04-30
  • ASIN: 4150118051
  • メディア: 文庫
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先に読んでた「変数人間」、「変種第二号」、「トータル・リコール」に比べると好みの話は少なかった。


2014-07-19

さよならの儀式 [novel]

表題作と、「エコーの中でもう一度」がよかったなぁ。
円城塔さんと冲方丁さんはさすが。

さよならの儀式 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売: 2014-06-28
  • ASIN: 4488734073
  • メディア: 文庫
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冲方丁さんの一篇読んで、まだシュピーゲル書けるでしょこの人、って思った。続き読みたい。


2014-07-25

輝く断片 [novel]

「死ね、名演奏家、死ね」こと「マエストロを殺せ」がすごい。
読み終わった直後よりも時間が経ってからじわじわとくるのが「ルウェリンの犯罪」。
普通に書いたらコメディかパロディになりそうな話をよくも流麗に書くよなぁ。

輝く断片 (河出文庫)

  • 作者: シオドア・スタージョン
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売: 2010-10-05
  • ASIN: 4309463444
  • メディア: 文庫
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小さな黒い箱 [novel]

「水蜘蛛計画」が一服の清涼剤みたいで、ニヤニヤしながら読んだ。
あとはどれをとってもやるせない感じ。
「運のないゲーム」「輪廻の車」あたりが面白かった。

小さな黒い箱 (ディック短篇傑作選)

  • 作者: フィリップ・K・ディック
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売: 2014-07-10
  • ASIN: 4150119678
  • メディア: 文庫
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2014-07-29

一角獣・多角獣 [novel]

異色作家短編集の雰囲気たっぷり。
ホラーに傾いた雰囲気の作品が多かったかな。
中ほど、「めぐりあい」「ふわふわちゃん」「反対側のセックス」あたりがよかった。

一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)

  • 作者: シオドア スタージョン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売: 2005-11
  • ASIN: 4152086815
  • メディア: 単行本
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「死ね、名演奏家、死ね」は別訳で読んだばかりなので飛ばした。