過去の日記

2006-05-17

SFによく出てくる入力方式 [movie][徒然]

ペイチェックを見た。

ペイチェック 消された記憶 [DVD]

  • 監督: ジョン・ウー
  • 出演: ベン・アフレック,アーロン・エッカート,ユマ・サーマン,ジョー・モートン
  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • ASIN: B000FJGZB4
  • 発売: 2006-06-23
  • amazon.co.jp詳細へ

↑これは近日発売の廉価版

ペイチェック 消された記憶 [DVD]

  • 監督: ジョン・ウー
  • 出演: ベン・アフレック,アーロン・エッカート,ユマ・サーマン,ポール・ジアマッティ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • ASIN: B0001851BE
  • 発売: 2004-08-25
  • amazon.co.jp詳細へ

↑old商品で一番安いのがこれ

P.K.ディック作品が原作ということだけど、これは SF映画ではなくてアクション映画。
ジョン・ウーの高速度撮影もキッチリ決まっていて楽しめた。
が、SF じゃない。SF っぽいガジェットが出てくるのにもったいない様な気もするが、興行用の映画として成立するためには SF じゃ駄目なのか。


それはさておき。
劇中で、空中に浮かんで見えるブロックの様なものを主人公が手で操作する場面がでてくる。
未来っぽい雰囲気を出すガジェットであり、それ自身には意味は無い。
が、UI としてそれはどうなの?


1.空中に浮かぶアイコン(何かを象徴する物体)を手でこねくり回す
子供が遊ぶブロックを思い浮かべてみよう。
さしあたって、その全面が接続可能なブロックだとしても、一体どれほどの自由度があるだろうか?
あるいはプログラミングを1ワードごとにフローチャートで書いたらどれほどの大きさになるだろうか?
高度にオブジェクト化されたユーティリティ(というのはより下位のレベルでのプログラマが他にいるということか)がある、という前提でしか現実味が無い。
ペイチェックの主人公の様に、デバイス開発の最先端をいく人間の使うものではない気がする。


2.口述筆記
ブラックマジック M-66 [DVD](士郎正宗) の主人公シーベル(主人公は M-66 ではないかという議論はさておいて)が使っていた。
まぁ、実際には日本語ではないと思うのだけど(今、DVDを見直す気はない)、これ句読点や強調(日本語なら傍点、英語なら斜体)とか、どうするんだろう?


3.思考
これは大変。これを書いている最中でも書いている文以外のあれこれが表層思考に入ってくるし、かな漢字まじりで考えているわけでもない。
口述筆記もそうだけど、読みだけ入力しておいて、後から漢字変換する? それは大変。
html の様な、ある程度のリッチコンテンツだとまた話はややこしいかも。
赤いポストとか思ったときに、"赤い"文字をイメージしたら、その語が部分が赤で装飾されちゃうんだろうか?


もひとつ、映画の話。
オープニングをもう一度見たいがために、ミミックを観た。

ミミック [DVD]

  • 監督: ギジェルモ・デル・トーロ
  • 出演: ミラ・ソルビーノ,ジェレミー・ノーサム,アレクサンダー・グッドウィン,ジャンカルロ・ジャンニーニ,チャールズ・S・ダットン
  • 出版社/メーカー: 東芝デジタルフロンティア
  • ASIN: B000057USJ
  • 発売: 1998-12-25
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  • 出演: ミラ・ソルビーノ,ジェレミー・ノーサム,アレクサンダー・グッドウィン,ジャンカルロ・ジャンニーニ,チャールズ・S・ダットン
  • 出版社/メーカー: 東芝デジタルフロンティア
  • ASIN: B00006F1V3
  • 発売: 2007-05-25
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オープニングの詳細はこちら。

prima materia - SF horror movies ... ミミック

原作は短編小説だけど、基本的な――というよりも根本的なアイデアのみ拝借して作られた映画。
いやもうB級映画のテイスト満載。
なんでよりにもよって「ユダの血統」なんて名前をつけるかなぁ、とか。観たのは吹替えのビデオなので――DVD がレンタルされてないのよ〜――原語でなんと言っているのか確認できないのが惜しい。
「ユダの血統」がなぜあそこまで進化したのか? について、

「世代交代の間隔が短くなっているのよ!」
「時間で考えちゃ駄目。世代数で考えるのよ!」

とか言っているけど説得力なし。卵のコロニーがいっぱい並んでたりするあたり、とてもわずか3年であそこまで進化したとは思えん。それとも、あそこまで進化したところで世代交代の間隔が長くなったのだろうか? ふむ。それの方がまだありうるか。
あと「人間並みに大きくなった昆虫」そのものが説得力がないのはいかんともしがたい。ま、これは原作小説も同じだけど、そういう意味では原作はSFではなくて、社会的ホラーと読んだ方がいいのかも。


蚤は体長の約200倍(とか約1000倍とか言われるが)の距離をひと跳びできる。イコール「すごい!」という話にはならない。前にも書いた覚えがあるがまぁいいや。
人間をそのままの構造で1/8にスケールダウンする。
体重はスケールの3乗に比例するので、1/512。
じゃあ筋力は?
筋肉の断面積に比例するので、つまりはスケールの2乗に比例する。1/64。
ということは見かけ上、8倍の筋力アップ!
垂直跳びで身長の 1/4 をジャンプできた人は、身長の2倍もジャンプできるようになる!
すごい!
という話にはならないでしょ?
生物のスケールが小さくなればなるほど体長に対しての運動能力は上がる。生物のスケールが大きくなればなるほど体長に対しての運動能力は下がる(象がジャンプすることを想像してみよう)。
これは、とても当たり前の話。

Winny のネットワークが生き残る理由 [tech]

高木さんの話とはあまり関係はないのだけど。

WinnyのCacheフォルダ内のファイルは、利用者にとって「公衆送信している」という自覚を持たないようにWinnyが作られているため、

高木浩光@自宅の日記 - アンチウイルスベンダーがWinnyのCacheフォルダ内のウイルスを駆除しない理由

これが最大のポイントで、ダウンロードのために Winnyネットワークに参加している人(マシン,ノード)が、同時に送信する側に回っているからだよなぁ。

政府機関のソフトウェア自身はオープンソース、ないしはフリーソフトウェアでないと認めない [etc]

という判断。

ご存知ですか?フランスの政府が新しい法案を 1999/12/7 に出したんですけれども、政府機関のソフトウェア自身はオープンソース、ないしはフリーソフトウェアでないと認めない。これはどういうことかと言うと、査察可能っていうことですよね。つまり最後まで調べられる。で、「じゅん」を使っているフランスの友人なんですけれども、彼が「日本の科学技術庁のページも侵入されたみたいだけど、オープンソースを採用するように流れてる?」とか。「ちがうちがう、話は全然逆。」とか言って(笑)。

OOエンジニアの輪! 〜 第3回 青木淳さんの巻 〜

を読むと、納得できる。

blog is not equal to himself, but... [etc]

他人の成りすましをどう対処したらいいか?ばかり考えていたけど、はじめからIDとPASSを渡してしまったときに、そのエントリが本人が書いたのか他人が書いたのかという証明まで考えないといけないことになっていくのだろうか。エントリを保存する際に、生体認証するとか。

ナンセンス不定記 - ブログ進化論

元記事の内容からはちょっと離れて。


「自分のblogのエントリが過去に遡って改竄されている」可能性を考えてゾッとした。
なにせワイドショー番組で事件関係者の mixi 上の日記が全国的に放映されるような世の中である。しかも、多分ナレーション付きで(スポーツジムのモニタに mixi の画面が出てきたのでつい目がいった次第。なので音声を聞いていない。私はワイドショー番組を見る趣味はない)。
そういうナレーションってやつがまた、視聴者を巧みに誘導するのだ。


知らないうちに blogの半年前とかのエントリに殺人衝動とかを匂わすような文が、そっと挿入されていたとしたら?
怖い。怖すぎる。

Q.E.D. C.M.B. [comic]

C.M.B.森羅博物館の事件目録(2) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売: 2006-05-17
  • ASIN: 4063710459
  • メディア: コミック
  • amazon.co.jp詳細へ

Q.E.D.証明終了(24) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売: 2006-05-17
  • ASIN: 4063710432
  • メディア: コミック
  • amazon.co.jp詳細へ

面白かった。
何分間か、何かを書こうと思ってみたのだけど、読後の興奮でどうにも書けないので、これでお終い。


追記
Q.E.D.の最後のページ"誰も"に振ってある傍点が気になる。
メタ的に読者を指しているのか、それとも犯人自身を指しているのか?(後者の場合は、自己欺瞞を示唆している、という解釈になる)
読者に対するメタ的な言葉は「災厄の男の災厄」で使っているので前者でも違和感はないのだけど。さて?

アンパンマンの顔を作れる人は? [anime]

兄:「でも、アンパンマンに勝つ方法もあるんだ。教えてやろうか」

檜山正幸のキマイラ飼育記 - 子供に気付かれたくない事だが現実に目をそらすのもナンだし

そうでもないと思う。

  1. アンパンマンの顔を作れる人はジャムおじさんやバタコさん以外にもいる。例えばロールパンナちゃんもアンパンマンの顔を作ったことがある。
  2. アンパンマン号は内部に垂直上方向に伸びるカタパルト*1と、強力かつコンパクトなロケットエンジンを積んでいて、いざとなったら宇宙空間に出ることができる。少なくとも第1宇宙速度は突破できるんだろう。軌道上に、試験的に打ち上げたアンパンマン号が1機ぐらいあってもおかしくない。もちろんアンパンマン号にはアンパンマンの顔を焼くためのパン焼き窯が搭載されていることは言うまでもない。というかその辺のパン窯でいいし。
  3. アンパンマンの顔はアンパンでなくてもOK。アンパイマン,ホットケーキアンパンマン,アンドーナツマン,あんまんマン,はるまきアンパンマン etc... そのヴァリエーションは豊富。

ということで、本当に新しいアンパンマンの顔を(代用品によるヴァリエーションも含めて)作れない状態にするためには、パン様の、粉と水を合わせて練って焼成する食品を作る者を全滅させるとか、あんの原材料の小豆を絶滅させるとか、そのぐらいの規模の作戦行動が必要。


"ポイントはそこじゃない"とは知りつつも。


追記
引用する行を間違えてたので修正。
ついでに書き加えておくと。

  1. 「アンパンマンに勝つ方法」について反駁する。
  2. なぜアンパンマンに勝てないか? それはアンパンマンの周りにいる皆がアンパンマンを失いたくない、と思っているからだ、という方向に話を持っていく。

というのはどうだろうか?

アンパンマンの顔を作れる人は? 続き [anime]

かと思いきや、アンパンマンの顔の原材料には"ゆうきのはなのエキス"が不可欠で、それがないと「元気3倍」にしかならない(つまり戦力比1/33ということか?)。しかもこの花の繁殖範囲は極めて狭く、それさえ根絶やしにしてしまえばいいような気もする。
でも、代用品の顔を付けた時に、"ゆうきのはなのエキス"がちゃんと入っているのかどうか、疑問である。

*1 イメージとしてはスペースシャトルの発射台を思い出していただきたい。あれはロケットエンジン点火時点では離れてしまうわけで決してカタパルトではないのだが、アンパンマン号のそれはアンパンマン号の底部と接したまま射出となる。案外、あれは実はリニアカタパルトで、ロケットエンジンとの併用式だったりして。


2006-05-16

脳を鍛える [game]

東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング

  • 出版社/メーカー: 任天堂
  • 対象機種: Nintendo DS
  • ASIN: B00097D8YO
  • 発売: 2005-05-19
  • amazon.co.jp詳細へ

DS Lite だと"きいろ"の声を認識してくれない。なぜだ?
そんなわけで無印DSでプレイしているわけだが。
短い音節ならここまで簡単に(というのは利用者側からの"簡単"のことでつまりは、学習なしで、という意味)不特定話者の音声認識ができるようになったのだなぁ、と感慨あり。
追記
「きいろ」の検索語でくる人がちらほら。あとに買った「東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」はグー,チョキ,パーで答えるのだけど、「チョキ」は明らかに「チョ」とだけ発音する方が認識率が高かった。手元にないので調べられないけど「きいろ」ではなくて「いろ」と発音する方がいいかもしれない。「き」では多分駄目だろう。
追記(2007/3/11)

そこで島田氏らのグループは、「きいろ」の副辞書として、「いいろ」、「ちいろ」を登録した。つまり、「きいろ」という答えの際に、「いいろ」や「ちいろ」が音声入力されても、それを正解にしてしまうのである。

“任天堂の忍者”島田健嗣氏が語る「脳トレ」の音声・手書き認識システム開発の裏側

私の直感は正しかった。


この手のゲーム*1は、まず最初にルールに慣れていくことで評価が上がっていく――このゲームでは脳年齢が下がっていく。
その"慣れ"が終わったあと、つまり評価がある程度横ばいになってからが本当の"脳の訓練"になるように思う。
でもその時点では評価が横ばいになるということでモチベーションも下がるんじゃないかなぁ。
最初の一週間(この期間は"例えば"というだけの話)で脳年齢が下がっていく! 嬉しい! というモチベーションの与え方は間違いじゃないかと思うのだけど、かといって最初の一週間は"慣れていく過程"です、と最初に言ってもやっぱりモチベーションは下がるわけで。


この手のゲームのプロモーションって上手いなぁ、とつくづく思う。


あ、あとね。ここ最近のテーマ( 科学的,非科学的,オカルト とか)とも関連するけど、"科学の最先端"というのはまだ「正しい」と「間違い」のどちらにシフトしていくか分からない領域なわけだ。「○○大学教授の説」なんていうのは、そういうもの――まだ「正しい」と「間違い」のどちらにシフトしていくか分からないもの――ぐらいに思っておいた方がいいよね。

草の思い [movie][music][iTS]

ふたり デラックス版 [DVD]

  • 監督: 大林宣彦
  • 出演: 石田ひかり,中嶋朋子,尾美としのり,岸部一徳
  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
  • ASIN: B00005V2LI
  • 発売: 2002-02-22
  • amazon.co.jp詳細へ


主題曲の「草の想い」も何ともいえない物悲しさが作品に良くマッチしたいい曲でした。

はけの徒然日記 - ふたり

同感!
すごく好き。その一曲のためにサントラを買った人間が少なくともここに一人。
Amazonで取り扱っているかしらん。

ふたり

  • アーティスト: 久石譲
  • 出版社/メーカー: NECアベニュー
  • 発売: 1991-04-21
  • ASIN: B00005MSQG
  • メディア: CD
  • amazon.co.jp詳細へ

あったあった。


iTMSは?

草の想い ~ふたり・愛のテーマ~ - ふたり

あるじゃん! How excellent!


……あれ? CDとiTMSで収録曲数が全然違う。私が持っているCDの方は、厳密にはサウンドラックではないのかな?


追記 2008/08/04
ジャケットと発売年が明らかに違うって……。

google を一時的に purge する [tech][etc]

Big Daddy症候群 - 今Googleで起こっていること :Bigdaddy症候群 ::グーグル(Google)の書

googleによる検索精度が落ちている、などの話題。
ここ数日でそんな気はしていたのだけど、こういう話題が出てくると"やはりそうだったか"と思ってしまう(実際は判定できないわけだが)。
ツールバーから検索するくせがついてしまっているのだけど、おかしいな、と思ったら"google を使う"という発想を一時的に切り離してしまうという心の準備をしておいた方がいいのかも。

起源が遡れる [etc]

遠藤周作のこの小説は、冒頭、主人公が、「トルコ風呂」へ行く。朝鮮戦争の頃だ。しかし朝鮮戦争当時は、トルコ風呂は吉原の東京温泉一軒しかなく、単なるマッサージ(普通のマッサージ)嬢がいるだけだった。

猫を償うに猫をもってせよ - わたしが・棄てた・女

一軒しかなく、ってことはそれが起源だということか。

*1 最近ではカードゲームあたりも含めてカジュアル・ゲームとか言うらしいのだけど、それは余談。


2006-05-15

must or better [etc]

それは must か? better か?
must ならやれ。
better ならするな。
ただし、いずれ must になるのならそのタイミングを見据えろ。その時にやれ。

8割方は受け売りだけど。

じゃあ、オカルトって? [徒然][novel]

一昨日の 科学的,非科学的,オカルト から引き続き。


「ちょっと話を戻していいかな」
しばらく考え込んでいた様子だったが、ようやく顔をあげて、しゃべりはじめた。
「『間違った非科学的』と『間違ったオカルト』を等号でつないで分かった気になっている、ってのはまぁいいんだけどさ、じゃあ『本来の意味のオカルト』って、一体なんなの?」
あぁ! 心の中で嘆息をもらす。いや、まぁ、あたりまえなんだけどね。でもそれは一体、どこから説明したらいいんだろう!?
「まぁ、表面的なことを言えばさ、キリスト教によって徹底的に弾圧され、地下に潜ってしまった古い知識の復興、ということになるんだけど……」
最後の方は消え入る様な口調。まるで次の言葉を探しているような。
「キリスト教圏が拡大するに連れて、改宗させられていった地域の、古い神が悪魔に形を変えて、古い因習が悪魔の業とされていった……。それぐらいのことは知っているけど。そういった≪もの≫がオカルトだということ?」
「……それは確かにそうなんだけどね。問題なのは、復興された≪もの≫と、古い時代の≪もの≫と、一体どちらがより正しいのだろうね?」
ああ、と彼女は思う。
――古語で言うは、現代語で言うとは違う意味だったんだわ。なのにあたしはをにあてはめて、そんなものはありえないって勝手に思いこんでただけなのね。
そういうことか。事態は同じだ。ただその勘違いが起きた時代が、更に古いということなんだ。
「その『古い知識の復興』ってのは、いつごろだったの?」
「19世紀……の世紀末」
「判った。構造は判ったわ。『本来のオカルト』がずっとずっと古い時代の知識だとして、19世紀末に興ったという『オカルト』はその時点の――19世紀末の現代的な言葉や概念で解釈されてしまっているのね? そして19世紀末に興ったという『オカルト』も、やっぱり現代の『オカルト』とは違ってしまっているのね?」
すばらしい! と拍手してしまいそうになったが、それは心の中だけにしておく。でも、そこまで辿りついているなら問題はない。
「そう。さっきも言ったけど*1、誕生日から決まっちゃう太陽宮なんかで分けてしまうよなが堂々と雑誌に載ってたりもするのなんかいい例だよね」


p52

「(略)科学ってのは、誰がやっても同じようにできるものを指して言うものなんだよ。そこに熟練のワザが求められて、個人差によって結果の相違が生じてしまうものは技術って言うんだ。ゆえに技術は科学たりえないわけなんだけど、その科学もまた技術で支えられている部分が確かにある。ここんとこの似て非なるものの重なり合いを、無視しちゃってんのがオカルトだ。科学と非科学の対峙の外側にあるんだよ、オカルトってのは(略)」


「『本来のオカルト』ってのは、呪術にしろ占星術にしろ技術の側のものだったと思うんだ。特定の者だけが使える技術で、それは拡散することなく受け継がれていくものだったんじゃないかな。ところが19世紀末に興った『オカルト』は、その辺を無視してしまった。というか、そうせざるをえなかったのかもしれない
「『オカルト』っていう言葉はっていう意味らしいんだけど、実際はそんな生やさしいものじゃなかったはずなんだ。徹底的な弾圧を受けたわけだからね。それを掘り起こしていくには、分類し、系統をつけていくしかなかったのかもしれない」
短い沈黙。その後、彼女はぽつりと言った。
「『深い断絶の後に興った体系化された技術』」


引用は引き続き、

陰陽師は式神を使わない (集英社スーパーダッシュ文庫)

  • 作者: 藤原 京
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売: 2006-01-25
  • ASIN: 4086302772
  • メディア: 文庫
  • amazon.co.jp詳細へ

です。
が、今回は恣意的にねじまげて引用しました。
その他の文は私の創作ですが、作中の太一郎君の認識している『オカルト』はこのエントリで書いたものとは違うでしょう(きっと)。
これはもう断言しちゃいますが、このエントリの『本来のオカルト』にまつわる話は私の≪妄想≫です。オカルトにまつわるメタコンテンツ――ぶっちゃけると色んな小説や漫画とかが元なので、まぁ、≪妄想≫といっても良い類のヨタ話ですんで。


それにしても、今回は思った通りにならなかったなぁ。もうちょっと、雰囲気が出せるかと思ったのだけど、全然駄目でした。

*1 実際には書いていないことだけど。内容的には20060511.html#p07の引用を参照のこと。こんな話を前にしていたということにしておいて……。


2006-05-13

ぢとじ 天と地 [徒然]

電子辞書の売場を巡っていた。
これ

シャープ 電子辞書 PW-S7200 (46コンテンツ, 多辞書モデル, コンパクトサイズ)

  • 販売元/メーカー: シャープ
  • 出版社/メーカー: シャープ
  • 出版社/メーカー: シャープ
  • 発売: 2004-07-23
  • ASIN: B0002LHRHQ
  • メディア: Personal Computers
  • amazon.co.jp詳細へ

の実機が見たかったからなのだけどみつからない。
それはさておき販促ビデオでこんなクイズが。

地獄のよみがなはどっち?

  1. ぢごく
  2. じごく

もちろん正解は2なのだけど……何でだ?


ぱっとすぐに判るのは、地獄は仏教の六道の一つだということ。地獄、畜生、修羅、餓鬼、人間、天。六道輪廻の言葉の通り、六つの迷界を流転するわけだ。
ここで気がつくのは地獄と天は対立概念でも、階層をなす概念でもない*1こと。地獄は、天地という対立概念で考える必要はないって事だ。だから、「ぢ」である必要がないってことが判る。
言うまでもないことだけど、天国-地獄という対立概念はキリスト教と共に持ち込まれたもので、hell,inferno の訳語として仏教の地獄が充てられたわけだ。けれども、仏教での天界は迷界の一つだから、heaven, paradise には充てられなかったってことかな?


てなことをつらつらと外出しながら考えていたのだけど、家に帰ってざっと調べてみると、じつは[zi]の音韻は[じ]と書くのが普通で、[ぢ]と書く方が"例外"の様なのだ。
こんな時、なんて言ったらいいのでしょ〜うか?

下手の考え休むに似たり

*1 自信なし。欲界と色界との間には階層がない(と思う)のだけど、欲界の中,色界の中には階層があるようでもあるし。


2006-05-12

科学的,非科学的,オカルト [徒然][novel]

昨日のエントリからの続き、でもある。

p170

「ねえ、そうでしょう?」と顔もあげずに胡桃沢さん。「占いなんてありえない、そのありえないものを昔の人は平気で信じてた、なんてこと自体が実はありなかったのね?」
「まあね」と太一郎は答えた。「僕の伯父さん言ってたんだけどさ。昔の人間はこんなバカなことを本気で信じてたんだなあ、と思いながら歴史の本を書いてる者たちほどバカな人間はいないって。自分の先祖を敬うことをしないまま、歴史が好きだなんて言える神経がわからないって。僕もそう思うな。だって製鉄法を見つけ出したのは古代人なんだよ。耐震設計で五重塔を建築したのも古代人、蚕の繭から絹糸を作り出したのも古代人だし、動植物の色素から染色法を発明したのも古代人だ。昔の人をバカにしたいなら、この内の一つでも資料なしの自力だけで発明してみろってば。今だろうが昔だろうが、技術は技術でオカルトはオカルトだよ。変なものを信じちゃう人はいつの時代にも大勢いるけどね」
「本当にそうだわ。まったくそのとおり」胡桃沢さんはまたも重い溜め息を一つ。「あたしは間違ってた。古語で言う<占い>は、現代語で言う<占い>とは違う意味だったんだわ。なのにあたしは<現代語の占い>を<古語の占い>にあてはめて、そんなものはありえないって勝手に思いこんでただけなのね」


p157〜158

「(略)試しに乾為天の卦辞をみてごらん。(略)」
探しあてて胡桃沢さんは読みあげた。「乾は、元いに亨りて貞しきに利ろし」
「そうさ」と太一郎。「元亨利貞。ただそれだけだ。乾は健全の意味。心身が健全であれば必然的に正しい行動をとるから万事良し。(略)外卦が坤で内卦が乾なら地天泰。泰は天下泰平の意味だよ。それが引っ繰り返れば天地否だ。すべての爻で陽と陰が入れ換わった時、正反対の意味になることが多いって言ったでしょ? (略)人間としての正しい行動を理解してない愚か者たちが、世の中を目茶苦茶にしてしまう。泰の最も遠い裏側に位置づけられてるのが否。わかる? 平和の反対は暴力じゃなくて、無知なんだよ。これが『易経』の教えなのさ」


「科学の確からしさってのは、正しい/間違っているの二分法で簡単に決められるものじゃないよね。誰かが唱えた説は、他の人の実験、他の人が唱えた周辺の理論、そういった様々なものが積み重ねられていって、"確からしい","正しいらしい"と認識されるんだ。ここまではいい?」
「いいわよ。そのプロセスそのものが『科学的』っていうことでしょう? そのプロセスを踏まないで正しいと主張するのが『本来の意味での非科学』であり『ニセ科学』でもあるわけね」
「そう。そしてさ、『非科学的』って言葉は、その辺を判らないで使われることが多いんだよね。そういう人ほど『非科学的』っていう言葉を『オカルト』と同じに使いたがるんだ。ところがそう人が言う『オカルト』っていう言葉もさ……」
とそこで遮って、次を続ける。
「実は『本来の意味でのオカルト』じゃないって話ね」
その言葉に"そうそうその通り"とでもいいたげな満足な表情になる。
「『非科学的』と『オカルト』を等号で結んで使っているのに、その『非科学的』と『オカルト』は、『間違った非科学的』と『間違ったオカルト』なわけだ。間違ったものと間違ったものを、等号で結んじゃうからそれが間違っているってことには永遠に気がつかないってことなのね?」
「OK。もうちょっと言うと"科学的に正しい"ってのは、幾重もの追実験や周りの理論から"確からしい"と認識される、ってことだったよね。ところが『ニセ科学』はそれを無視して――というかすっ飛ばして、"正しい"と主張するんだ。"正しいらしい"と主張する『科学』と、"正しい"と主張する『ニセ科学』、という図式がそこには存在する。『科学的』ということを誤解する人にとって、明確で判りやすいのは後者の方なんだよね」
「あぁ! そうね。まったくその通りだわ」


引用は、

陰陽師は式神を使わない (集英社スーパーダッシュ文庫)

  • 作者: 藤原 京
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売: 2006-01-25
  • ASIN: 4086302772
  • メディア: 文庫
  • amazon.co.jp詳細へ

から。
その後の文は私の創作ですが、2006年5月号の月刊ASCII誌の記事「教育現場にニセ科学を持ち込むな」を参考にしました。
なんか論旨に間違いがあるような気もするのですが、今のところ冷静に読み返せません。ならあるていど寝かせてから書け、と言われそうですが……。


念のための追記 2006/5/13
私の創作部分は、太一郎君と胡桃沢さんの語り口だけを真似てみたもので、キャラクターとしては――当然ながら――太一郎君と胡桃沢さんを想定していません。

可能無限再び [book]

無限論の教室 (講談社現代新書)

  • 作者: 野矢 茂樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売: 1998-09-18
  • ASIN: 4061494201
  • メディア: 新書
  • amazon.co.jp詳細へ

が届いた。パラパラとめくってみる。


p33

無限のものがそこにあるのだと考える立場から捉えられた無限は『実無限』と呼ばれ、可能性としてのみ考えられるとされる無限は『可能無限』と呼ばれます。

と、「呼ばれます」と断定口調で、登場人物であるところのタジマ先生は語る。
前も書いたが、それならばなぜ、All The Web で、1998年8月31日以前を対象に"可能無限"を検索した結果、

AlltheWeb.com: Web results for ""可能無限""

が、0件になるのか? 不自然ではないか?


1998年9月1日以降を対象として"可能無限"を検索した結果、

AlltheWeb.com: Web results for ""可能無限""

はそれなりの件数を出す。
この本が出る以前から、本当に「実無限」,「可能無限」と呼ばれていたのか? 呼ばれていなかったとすれば、例え登場人物が語る言葉であろうとも「呼ばれます」と断定口調で語るのはおかしいのではないか。


可能無限にまつわる話は、

可能無限 最後に

が最後(じゃないけどまぁいいや)。

偶然か? [徒然]

先の2つのエントリが今日書いたのは偶然。
陰陽師は式神を使わない (集英社スーパーダッシュ文庫)(藤原 京/藤城 陽) の再読のタイミング。
街を歩いていて、このネタが太一郎君と胡桃沢さんの会話っぽいやりとりという形で降っておりてきたのが今日だというタイミング。
無限論の教室 (講談社現代新書)(野矢 茂樹) を頼んだのは、欲しかった本と一緒に買って1,500円を超える本でカートにとりあえず放り込んでおいたものの中からたまたま選んだだけ。
それが今日届いたのもこちらの意図していなかったタイミング。


その割りにはうまく符合しているなぁ。
無限論の教室 (講談社現代新書)(野矢 茂樹) のカスタマーレビューに、

筆者が哲学者ゆえ、数学者は本書を足蹴にしているようだが、

ってあったけど、上に書いたとおり、科学的な手順を無視しているためなんだろうなぁ、そうなると2つのエントリが並んでいるのは偶然の積み重ねなのに面白いなぁ、と今思う。

PS3のコントローラ [game]

へ〜。傾きコントローラか加速度コントローラ(の両方か後者だけか)を付けたんだ。