2015-10-01
■スクリプトドクターの脚本教室・初級篇
スクリプトドクター、つまり脚本の『医師』のお仕事の話が後半。
前半は「窓辺」系の脚本を引き合いに出して、どのようにして駄目な脚本ができあがるのかという話がメイン。
間に、映画でどのように脚本が構成されているか、というテクニカルな話。
そんな構成。
p4
『窓辺』系の典型的なストーリーラインは、「人づきあいの苦手なOLが田舎に帰って自分探しをした結果、少しだけ元気になった(つもりで)東京に戻ってくる話」です。
なぜそのよう脚本が駄目なのか、という話だけじゃなくて、なぜそのような脚本を書くような人が問題(先生としての立場から見ての問題)なのか、という話があって面白い。
肩書きに「心理カウンセラー」とある著者が分析する、『窓辺』系のアマチュア脚本家の心理状態の解説など、脚本教室ではなくて自己啓発本かなにかかと見まがうほど。ただしそれは、よい脚本を書く、という目的に向かうための必要なステップとして提示されているのでぶれていない。
不思議な読後感の本であった。
2015-10-07
■暗黒のメルトダウン (ストレイン)
面白かった。
本文中、ラストに書いてある通り、想像していたよりもずっと「最悪」な事態になっていて、これから一体どうなるんだろうか。
しかし、ギレルモ監督の作だけあって、ひとつひとつのシーンがすごくビジュアル的に想像しやすくて読みやすい。
ドラマにしたらさぞ映えるだろうなー、と強く感じた。
続き気になる。
2015-10-22
■数学の大統一に挑む
面白い読み物だった。
数学の本ではない。
数学者の本。
ユダヤ排斥運動時代のソヴィエトで、彼がいかにして数学者になったのか。
研究者のコミュニティはいかにして作られるのか(そしていかにして壊れるのか)。
著者の主眼は、数学の、数学を研究することの面白さはどこにあるの? というところにあるのだろうけど、読んでみれば研究者ってどんな風に考え、どんな仕事をしてるの? という視点が面白かった。
p225
人に教える方法を、あなたに教えられる人はいない。